ネタバレ感想です!!
未見の方は注意してください!!

概要
↑シーズン3の感想はこちら。
シーズン3の最終話で、チャックがなんと自らの命を絶ちました。
その後、ジミー、ハワード、キムがその死にどう向き合うかがメインに描かれたシーズン4。
…特に、ジミーの向き合い方が、理解の範疇を超えてきました…(苦笑)
そして、とうとうジミーが『ソウル・グッドマン』になる瞬間が訪れます…。
マイクは、ガスと本格的に仕事をし始めます。
そして、あのウォルターたちもお世話になった、ランドリーの地下にあるラボの建設に取り掛かるのですが…前途多難!!
登場人物① ジミー・マッギル
──演:ボブ・オデンカーク
引き続き、本作の主人公。
チャックの死後、彼はかなりのショックを受けている…のか。
弁護士資格を取り戻すため、身を粉にして働きます。(ジミー流の働き方ですが)
ヒューエルを護衛に雇って、少々治安の悪い場所で携帯を売りさばいています。
キムとの関係は継続中。
しかし、そんな彼女とも喧嘩をしてしまったりと、キムとの関係についても考えさせられるシーズンにもなりました。

登場人物② キム・ウェクスラー
──演:レイ・シーホーン
ジミーの恋人として、彼を懸命に支える。
彼女1人でメサ・ヴェルデを担当していましたが、『無料弁護案件』を積極的にこなしていきたいという強い思いがあり、他の人に支えてもらいたい…と思うようになり、シュワイカート&コークリーに所属することに。
ジミーはまた彼女と一緒に事務所をやりたい、と思っていたのに(ロゴまで考えてた)、かなりかわいそう…。
彼女はどうも弱者に味方するのが好きなようで、強者が強者らしく振舞う姿にどうも嫌悪感を抱いていそう。…あれだけこだわっていたメサ・ヴェルデにも、身勝手にふるまわれるとイライラしている感じ。(※個人の見解です)
自分の仕事が上手くいかない時や、刺激が欲しい時は、『滑りのジミー』と組むようになります。
キム、君は一体何を思っているのか…

登場人物③ ハワード・ハムリン
──演:パトリック・ファビアン
チャックの死にかなりのショックを受け、不眠症に悩まされる。
そして、ジミーには『チャックは自殺したんだ』と言ってしまう男。その事でキムに長説教をくらう。
これを言わなければ、ジミーはチャックの死を曖昧にしておけたのにな…なんて思ったり。
聴聞会の後、チャックの病状や異常性が露呈し、HHMの評判は落ちていたのだけれど、チャックの死でより拍車が掛かってしまう。
HHMは経営難になり、従業員をリストラを始める。
その様子を見たジミーは、ハワードに「君は弁護士としては三流だが、営業力だけはあるんだからもっと頑張れよ」と言う。やっぱり、弁護士としての手腕は悪かったんですね。だからキムにも毛嫌いされていたのかな。
これに「くたばれジミー」と応じますが…、彼は復活できるのでしょうか。(´ε`;)ウーン…

登場人物④ マイク・エルマントラウト
──演:ジョナサン・バンクス
完璧にメンタルコントロールできていそうなマイクですが、義理の娘ステイシーが息子・マティを忘れてしまう瞬間がある…と聞いて、メンタルを乱してしまったりしています。
また仕事関係では、駐車場係を辞め、本格的にガスと関わり始めます。
仕事内容は、地下ラボの建設の現場監督。
ドイツ人作業員たちにラボの建設をしてもらうのですが、彼らの面接&監視を担当することに。
徹底した仕事ぶりだったのですが、その建設メンバーを纏めるリーダー、ヴェルナー・チーグラーが彼を悩ます存在となります。
そして、自分のミスにケジメを付けるため、彼は初めて人の命を奪う事となります。ツライ。

ヴェルナー・チーグラー
──演:ライナー・ボック
ドイツ人建設チームのリーダー。超愛妻家。
部下たちのことを子供のように大切に思っており、子どもたちも彼を慕っていた。
長期に渡る建設工事に精神が衰弱してしまい、ガスとマイクの目を盗んで現場から逃亡。
銀行で金を下ろし、妻・マルガレーテをアメリカに呼び寄せ温泉旅行に行こうとしていた。
ううん、もっと精神が強ければ…。

登場人物⑤ ナチョ・バルガ
──演:マイケル・マンド
シーズン3の最後で、ヘクターの薬を入れ替えることに成功。
ヘクターはぎりぎり一命をとりとめるも、重傷は重傷。
脳に重大な損傷を負い、車椅子生活を余儀なくされ、且つ話すこともできなくなる。(『ブレイキング・バッド』での彼の状態に)
とりあえずは父親を守れたことに一安心するも、薬を入れ替えている姿をガスに目撃されてしまう。
結果、彼はガスの手駒に。ツライ。
マイクがヘクターにしていたいやがらせ行為を、全てエスピノーザ一味に擦り付ける。
ガスは、それに真実味を持たせる為、ナチョは銃撃戦に巻き込まれたと装わせる。
ナチョは生死の境を彷徨うほどの大けがを負う。(こちらも獣医さんが治療してくれます。良かったねナチョ)
そして、ヘクターの次はラロという男が現場を仕切り始めます。
ナチョはラロとうまくやっていけるのか…
登場人物⑥ ガス・フリング
──演:ジャンカルロ・エスポジート
マイクを正式に雇い、地下ラボ建設に着手。
ナチョがヘクターの薬を入れ替えているのを見て、ナチョを手駒にする。
マイクの事は若干懸念があるけれど(ナチョとの関係を話さなかった&ナチョの計画を止めなかった)、本格的に仕事を開始。
また、優秀な科学者でもあるゲイルとはもう仕事をし始めている模様。(サンプルをゲイルにテストしてもらっていた)
ゲイルも今シーズンでちらっと登場。
ヘクターの治療にも尽力。
なぜなら、生きながらにして地獄の味を味わって欲しいから…。

登場人物⑦ ラロ・サラマンカ
──演:トニー・ダルトン
今シーズンから登場。ヘクターの甥。
ヘクターに代わり、ファミリーを仕切る。本人曰く、『数字に強い』らしい。
ガスの事を敵対視しており、注意深くガスを監視し始める。
サラマンカファミリーなだけあって、暴力に抵抗がないタイプ。
しかし、冷静で集中力は高いタイプ。
車椅子生活&しゃべれなくなったヘクターに、意思疎通ができるようにあのベルをヘクターにプレゼントしている。
ガスがこそこそ何か裏でしているのを感じ取り、脱走したチーグラーを捜索するマイクを追跡。
その際に、チーグラーが現金を下ろした銀行の職員を殺害している。
ガスの計一部をチーグラーから聞き出すことに成功していますが…。

あらすじ
ジミーは、弁護士資格が回復するまでの1年を乗り切るため、職探しを始めます。
そんなジミーとキムの所に、ハワードから電話が。なんとチャックが火事で亡くなったという。
チャックが亡くなったという事実に脱力していたジミーに、ハワードは「僕のせいで、チャックは自分で命を絶ったんだ」という話をしてしまい、キムとジミーに大顰蹙を買ってしまう。
しかし、ジミーは妙に陽気になって、日々を過ごし始める。そのことに違和感を覚えたキムは、ジミーにカウンセラーに行っては?等と世話をやく。ジミーの本意とは…
一方、マイクは息子・マティ関係の話になるとメンタルを崩しがちだが、仕事は順調。
裏の仕事に専念するため、駐車場係を辞める。
そして、ガスの依頼である『地下ラボ建築』を円滑に進める為、ドイツ人建設作業員たちの面接&監視を徹底的に行い始める。
しかし、その作業員のリーダー、ヴェルナー・チーグラーに頭を悩まされる…
というお話。
ジミーの迷走
チャックの死を知ったジミー。
泣いたり悲しんだりするかと思いきや、チャックからの遺書もなんとも思っていないように淡々と読み上げ(亡くなる直前に「お前のことなど、昔からどうでもよかった」という言葉がジミーにとっては遺言だと思っているのかな)、かなり上機嫌で奇行を繰り返します。
①採用してもらうも、内定を蹴ってしまった会社で、高価な置物(『バイエルンの少年』)があるのを発見し、人を雇って盗みに入る。
②携帯会社に就職したジミー、携帯を治安の悪い方々に売りさばく。
⇒ヒューエルを用心棒に雇い、自分の事を脅した少年共を脅し返したりする。
③ヒューエルが警官を殴ってしまった際には、刑務所送りを阻止するため、『ヒューエルは聖人である』という偽の事実を作る。キムにはヒューエルの代理人になってもらう。
⇒偽の教会HPを作成・偽の『ヒューエルは偉大な人だ…』という手紙を100通以上作成・自身を教会の神父だと偽る…等々。
④(キムに頼まれてだけれど)メサ・ヴェルデの設計図の入れ替え(違法)をする。
↑のような行為を淡々とこなしていくジミー。
彼の本心はどこにあるのか??と謎ばかり。
まぁ、人が悲しみを表現する方法は様々。この奇行が彼にとっての『泣く』という行為に値するのか…。
①においては製作陣の方のポッドキャストで、『クソ野郎である俺を雇うクソ野郎には雇われたくない』と語っていらっしゃったそう。(引用:「ベター・コール・ソウル」S4E2「息の根」なぜジミーは仕事を断ったのか? – 海外の反応 & 製作者の意図 | トリビア | 海外ドラマ「ベター・コール・ソウル」ファンサイト Call Saul (breakingbadfan.jp)より)
ここら辺はとても納得。また、この面接にあたった2人を父親と重ねている…というのは盲点で驚いたけれど、これもまたすごく納得。ジミーが嫌悪してしまう人種なんでしょうね…(´ε`;)ウーン…
奇行に走るジミーの心中はひたすら複雑なんだろうな…と演技でわかりました。改めてボブ・オデンカークの演技力の深みが凄まじい。
チャックが亡くなって、自分の思う通りに生きていられると感じる自由、でも唯一自分を認めてほしかった人はもういないという喪失感、その自殺の原因(=保険料の値上げによるHMMの解雇)は「自分なのでは」という罪悪感と…があったのかな、と個人的には思いましたが、皆さんはどう…?( ;∀;)
キムの火遊び
ジミーの奇行が目立ちましたが、キムもなかなか火遊びに興じる今シーズン。
自分の仕事が上手くいかない時や、ストレスが溜まった時に『滑りのジミー』と共に、違法行為に興じてしまうキム。(上記の③と④)。
プロボノ案件(無償弁護)に熱心に取り組みたいのが本音…のようで、それを邪魔されたらメサ・ヴェルデを煩わしい存在に感じたり、またある時はメサ・ヴェルデのケヴィンの要望を叶える為に違法行為に手を染めたり…と。ストレス発散しているのか、何なのか…??
しかし、それもジミーに「君は行き詰ったら滑りのジミーと遊びたがる」と指摘されています。
こんな行為が息抜きになるキムって…、やっぱりどこか壊れているんだろうか…。
でも、これって、ジミーとしては悲しい事ですよね。
シーズン4において、キムはジミーがジミーとして頑張っているとき(=職探しして携帯を売りさばいているとき)は、彼が何をしているかを気にしていなくて、すれ違いの生活が長く続いてます。
それなのに、ジミーが「滑りのジミー」をしていると、彼に魅力を感じてキスをしている。
…今シーズンにおいて、キムはジミーにキスをしていないのです。
ジミーが滑りのジミー…ソウル・グッドマンの時にしか、キスをしていないのです。
それに加えて、彼女はジミーと一緒に事務所を立ち上げることさら~~っと諦めて、デイヴィス&メインにさっさと移籍してしまいますし。
ジミーが「もうジミーとしての自分は誰にも必要とされていない」と思うには十分な彼女の振舞い。
ジミーが【ソウル・グッドマン】になろう、と思ってしまうのも納得な気もする…(´ε`;)ウーン…
ソウル・グッドマンの誕生
そうして、今シーズンでとうとうソウル・グッドマンが誕生してしまいます。
上記の様な生活をして、キムには「滑りのジミー」である時のみ求められる。
弁護士資格を取り戻すための聴聞会でチャックの話をしなかったから、「誠実さ」が足りないとされて弁護士資格を取り戻せなかった。
…つまり、自分が弁護士でいるためにはチャックの存在が必要不可欠なのだという事実を突きつけられ、「ここでもチャックなのか!!」とイライラ。
トドメの一撃は、チャックが設立した奨学金基金の面接での出来事。
全科もちではあるものの、成績は優秀の志願者・クリスティの奨学金が却下になってしまったことです。面接の部屋に入った瞬間から、彼女の結果が決まっていました。
皆【過去】ばかり見て「禄でもない人間だ」とレッテルを張ってしまって、【今】の彼女がどれだけ優れた人間であっても受け入れないのです。
…その事実を見た時、ジミーはすぐさまクリスティを追って、「彼らは君の過去しか見ないし、それですべてを決めてしまう。そんな人間に受け入れてもらおうなんて思うな。そんな人間を上から見下ろすような人間になれ!!」と激励するのですが、これはそのまま自分に言い聞かせたのでしょう。
結局は皆…チャックのような人間は、最後まで「自分を受け入れることはない」と悟り、そして、もうチャックもいなくなってしまったので、「一生自分(=ジミー)は誰にも認めてもらえることはない」ということに絶望すら覚えて、車で大号泣するジミー。
…もうこれで、ジミーは捨てて「ソウル・グッドマン」として生きていこう。となったんだろうなぁ…と思いました。
(因みに、この大号泣するシーン、吹替では『もういやだ。いやだよ…』というセリフが付けられています。正直、勝手に付け足すのは…と思いましたが、この吹替は素晴らしい脚色。ほとほと疲れ果て、子どもの様に泣きじゃくる姿が辛くて辛くて…)
なので、最後の聴聞会を終えて見事弁護士資格を取り戻す演説をしているのはジミーではなく、ソウル・グッドマンでした。(どこからがジミーでどこまでがソウルだったのか、これがまたわかりづらいのだけれど)
演説中は「マッギルの名に恥じぬように弁護士業を続ける」と言っていたのに、終わった瞬間「ソウル・グッドマンとしてこれからは弁護士業を始める」という、まさにソウル・グッドマン…。
キムは彼の演説を聞いて、涙まで流していたのにこの変わりようには驚いていました。
ジミーは自分が思っていたよりも、遠くに行ってしまったのか…?と感じるようなカメラワークでお終いでしたが、…確かにジミーは我々が思っていたよりも遠くに行ってしまいましたね、本当…。
シーズン1で、チャックと一緒に仕事ができるとにこにこで健気だったジミーはどこに行ったのか…。さようなら、ジミー。

↑これも、思えばこのお面がソウルで、お面を持っているのがジミーなんでしょうか。
そう考えたら、この一枚ポスター、超泣けてきてしまう…( ;∀;)
マイクの歩み
ジミーが迷走している一方、マイクはガスと本格的に仕事を開始。
①地下ラボ建設のため、ガスはマイクに仕事を依頼。
⇒マイクはドイツ人建設作業員たちを雇い、彼らが快適に地下で過ごせるようにシェルター的なものを用意&作業員たちが逃げないように監視を開始。
②ガスはナチョの弱みを握り、彼を利用してマイクがやってきたヘクターへの妨害行為の罪をエスピノーザ一味に全て負わせる。
⇒エスピノーザ一味に襲われたことに真実味を持たせるため、銃で何発も撃たれるナチョ…。
③新たな敵・ラロ・サラマンカはガスの周辺を厳しく監視し始める。
⇒ドイツ人建設作業員の1人が脱走したことで、ガスの周辺が慌ただしくなる。
マイクが尻尾を出してしまい(珍しい…!!)、それを決して離さないラロ。
マイクはずっとメンタル面が大崩れするイメージはなかったのですが、今シーズンではなかなかの崩れっぷりでした。
事の発端は義理の娘・ステイシーが「マティのことを忘れる瞬間があった」という告白から。
そこからちょっとずつ歯車が合わなくなるマイク。マイクは本当に息子・マティの死に大きく責任を感じているんですね。(孫娘のステイシーからマティの話をされて八つ当たりまでしてしまうし)
そこから、仕事に関しても大きなミスを犯してしまいます。
建設作業員のリーダー、ヴェルナー・チーグラーが愛する妻が恋しすぎて脱走してしまうのです…。
それに対処するのですが、こういった組織で約束を反故してしまう人間の末路って、大体決まっているじゃないですか…。結局、そのヴェルナーにケジメをつけるマイク。
マイクは今まで人の命だけは奪ってこなかったわけですが、ここでとうとう…ですね。
しかも、自分が信頼した人間の命を奪うって、なかなかの苦行。
でも、こうやって『ブレイキング・バッド』でのマイクが完成するのかな…と思うと、マイクの成長記録でもあるんだなぁ…と思うシーズンでしたね。
新たな敵、ラロ・サラマンカ
私、サラマンカファミリーはいまいち好きになれなかったのですが、ここに来てとても好みなヒールが登場。ラロ・サラマンカです。
暴力的だけど、感情は律せるタイプの悪役。
淡々と仕事をこなし、ガスの弱みをたやすく握るので、この男かなり出来る…。
そんなラロは、マイクを追跡する中で銀行員の男性の命を奪っております。(ヴェルナーが逃走資金を引き落とすためによった銀行の職員)
そして、ヴェルナーからガスの計画の一端を聞き出すことに成功。
…彼がどれだけガスの敵になるのか、今後楽しみですね!!




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