ネタバレ感想です!!
未見の方は注意してください!!

ハンニバル・レクターの若き日を描いた映画『レッド・ドラゴン』の登場人物を引き継いだ、オリジナルストーリー。
FBI捜査官ウィル・グレアムとの関係を描く。『羊たちの沈黙』、『レッド・ドラゴン』に描かれる前のハンニバル・レクターは、FBIで働く優秀な精神科医だった。
引用元:ハンニバル シーズン1 | ソニー・ピクチャーズ公式 (sonypictures.jp)
彼の仕事は、連続殺人犯の精神を見ることができるという天賦の才能を持ちながら、同時にそれに悩まされている特別調査官ウィル・グレアムを助けることであった。
ウィルの精神状態を診る役目だったレクターだが、次第に犯行現場にも立ち会う様になる。殺人事件の捜査でウィルに協力しながら、本性を覗かせていくレクター。善と悪の狭間を彼は歩いていく。
概要
本ドラマは、トマス・ハリスの小説『レッド・ドラゴン』を原作に製作されたドラマ。
時代設定も現代に置き換えられているので、レクター博士の生い立ちも設定も根本から違っています。といっても、あんまり最新機器を駆使するようなシーンは出てきませんでしたが。タブレットくらいでしょうか??
私は原作小説は読んでおりませんが、映画は「羊たちの沈黙」「レッド・ドラゴン」「ハンニバル」「ハンニバル・ライジング」は観ているので、それらのレクター博士と比べると、ドラマのレクター博士は【捕食者】としての一面がだいぶ抑えられており、【サイコパス】な一面にクローズアップされている印象。私個人の感想ですと、映画のレクター博士の方が恐ろしかったです。
サイコパスとは…
「感情の一部が欠如している」という点において特筆される精神病質者のこと。
自分以外の人間に対する「愛情」「思いやり」などの感情が著しく欠けており、そのためにきわめて自己中心的に振る舞う傾向にある。また、道徳観念や倫理観、あるいは恐怖などの感情もきわめて乏しい傾向にある。サイコパスにも程度の差がある。
すべてのサイコパスな人がサイコパス的な要素をすべて顕現しているとは限らない。サイコパスではなくてもサイコパス的な要素を持つ人は少なくない。サイコパスとそうでない人の線引きは素人にはなかなか難しい。(引用:実用日本語表現辞典)
登場人物① ウィル・グレアム
──演:ヒュー・ダンシー
本作の主人公。たくさんの犬を飼っている。
自閉症スペクトラムの一種で、あらゆる人間の感情に共感できてしまう能力がある。もう能力者並。
しかし、その共感力が強すぎるために精神を病み、FBI捜査官の適正テストに不合格になってしまう。それからはFBIアカデミーの講師として働いている。
しかし、FBI行動分析課長ジャック・クロフォードから捜査班に加わるように要請され、超異常犯罪の捜査をすることに。
それにより順調に心を病んでいくのですが、それを食い止めるため(&アラーナの心配を取り除くため)、ハンニバル・レクター博士が彼のカウンセリングをすることになります。
決め台詞は『これが僕の見立てだ。(=This is My Design)』。
シーズン後半では、脳腫瘍がどんどん大きくなっていき、夢遊病になったり意識が常に飛んでしまったりと、かなり前後不覚な状態に…。その上でレクター博士から洗脳も受けるという超ハードモード人生。なのに誰にも気づかれないという、かなり散々な目に遭います。誰か助けてやって…( ;∀;)
シーズン後半には見た目もぼろぼろになってしまい、本当に心配してしまいましたよ…

登場人物② ハンニバル・レクター
──演:マッツ・ミケルセン
皆ご存じ、人喰いハンニバル。お料理が趣味。
このドラマの設定では、「羊たちの沈黙」「レッド・ドラゴン」よりも前の話になるので、彼の正体を知っている人間は居らず、ジャック・クロフォードの依頼により、ウィルの精神鑑定をすることに。
それにより、ウィルに自分と似た部分を見つけ、歓喜(多分)。彼を友人だと思っている。
そして、彼の「反応」を見る事を楽しみにしている。
ネタバレしますと、彼こそが【ミネソタの百舌の模倣犯】を装った【チェサピークの切り裂き魔】。
正体がバレることを恐れることはなく、己の犯行に対する皆の反応をみて楽しむ為に犯行を重ねる…といった感じでした。
いつ何時も「ウィルが心配だ…(´_ゝ`)」と言っていた印象。
ちなみに、チェサピークはバージニア州南東部に位置する都市。

登場人物③ ジャック・クロフォード
──演:ローレンス・フィッシュバーン
FBI行動分析課長。ウィルたちの上司。
怪奇的な殺人事件を扱う課のトップで、犯罪者の心理を理解する為に超共感力を持つウィルをスカウト。
捜査の全てをウィル1人にさせる、超パワハラ上司。
あなたがもう少し働けばいいのに!!と思った人は多いはず…。
これまたスカウトした若い研修生・ミリアム・ラスを【チェサーピークの切り裂き魔】の捜査に当たらせ、その後彼女行方不明になってしまった…という過去持ち。言わんこっちゃない。
奥様のベラは末期のガンを患っています。奥様的にはジャックには知られたくはなかったのですが、最終的に彼は知る事となり、彼女の事をいつも心配しています。
…ちなみに、リアルでもベラ役のジーナ・トーレスとは夫婦なんだとか。

登場人物④ アラーナ・ブルーム
──演:カロリン・ダヴァーナス
FBI顧問。元心理学教授。
ハンニバルの生徒でもあったそうで、ハンニバルには絶大な信頼をおいています。
ウィルの精神状態を心配して、FBIの捜査に加わることに反対していたのですが、ウィルの精神サポートをハンニバルがするということをジャックから提案され、渋々了承。
ウィルは彼女に密かに片思いしており、少なからず彼女もウィルを思っていたのですが…。結局フっていました。

登場人物⑤ アビゲイル・ホッブズ
──演:ケイシー・ロール
連続殺人犯【ミネソタの百舌】の娘。
ミネソタの百舌と言われた父は、彼女の目の前でウィルによって命を奪われるのですが‥‥
連続殺人犯、ミネソタの百舌とは…
✓被害者は全員ブルネットの若い女性で、よく似た風貌で背格好も年頃も同じ。
✓必ずシカの角をつかって遺体を飾り付け。
✓被害者には必ず敬意と愛を持って接している。
✓今までで7人の女性が犠牲。
ウィルの『見立て』によると、ミネソタの百舌は娘だけを愛していて、その娘を失うことを心底恐れている男だ、とのこと。なんでわかるんだろう…
彼女は、ウィルやレクター博士の人生を大きく左右する存在になります。
身も蓋もなくネタバレしますと、彼女は父親の犯行を全て知っていることはおろか、自分が殺されないようにと父の犯行を手伝っていました。
そして、父の犯行の被害者(と、思いきや、模倣犯による犯行なので、全てはレクター博士の計画通り)であるキャシー・ボイルの兄ニックを図らずも殺害(彼に怯えて刺してしまっただけですが…)、それをレクター博士が隠蔽してくれたおかげで、彼との間に不思議な絆が生まれます。
そして、その事実に気づいたウィルとも。
結果、レクターとウィルは彼女にとっては親のような存在に。
…特にレクターはアビゲイルを己の妹と重ね、そういった愛情を持っていたように見えました。
登場人物⑥ フレディ・ラウンズ
──演:ララ・ジーン・コロステッキ
倫理観が著しく欠如した新聞記者。けど、取材力は非常に高い。
特にアビゲイルには固執して、暴露本を出そうと何度も勧誘していました。
ギデオンが病院から脱走した際には、ギデオンの人質となってしまいました。
そして、ギデオンによるチルトン博士への異常な手術の場に居合わせましたが、動じないタイプ。
因みに、映画「レッド・ドラゴン」では男性でした。
FBIに協力する新聞記者で、そこまで下衆な印象はありませんでしたが、噛みつき魔についてわざと煽る様な記事を書き、怒ったフランシス・ダラハイドに命を奪われていました。(火を点けられて車椅子に乗せられてました…)
登場人物⑦ フレデリック・チルトン
──演:ラウル・エスパーザ
州立ボルティモア精神障害者犯罪病院の院長。
収容されている人たちの精神鑑定をしつつ、論文を書いているのだけれど、その内の1人の外科医・ギデオンをなんと【チェサピークの切り裂き魔】として洗脳。
周りからの評価を気にする男で、誰よりも優れた人間でありたいタイプ。
ギデオンに恐ろしい方法で復讐されますが、なんと、生きています。本当に悪運の強い男です。
エイブル・ギデオン(演:エディー・イザード)
後のS2にもキーパーソンとなる男。
チルトン博士にまんまと洗脳されてしましたが、洗脳を自力で解いて病院から脱走。
チルトン博士に復讐を誓い、生きたまま臓器を取り出すという手術を執り行っています(恐ろしい…)
最終的には、ウィルに捕まります。
ウィルと接触したことで、レクター博士とも出会い、彼こそが【チェサピークの切り裂き魔】だと気づきます。
S1の時点でその事実を知っているのは、ギデオンとウィルだけです。

あらすじ
自閉症スペクトラムの一種として、いろんな人間の感情…特に連続殺人犯の精神に『共感』できてしまう能力を持っている主人公、ウィル・グレアム。
そんな能力を持っているのだけれど、同時にその能力に悩まされていました。あまりに精神的ストレスが大きすぎるのです。
その為、FBIの適正テストに落第。代わりにその能力を活かしてFBIアカデミーの講師として働いていました。
そんなある日、FBI行動分析課長のジャック・クロフォードがその能力に目を付けて、彼を自分の部下にとスカウトします。
ウィルの友人であるアラーナは、彼の精神状態を心配して反発しますが、ジャックから「ハンニバル・レクターをウィルの精神サポートにつける」という条件を出され、それを了承。
ウィルはここで初めてレクター博士と出会います。
そうして、ウィルはジャックとレクター博士と共に、連続殺人犯と対峙することになるのですが‥‥
というお話。
レクター博士の「目的」は何なのか?
このS1では、レクター博士の犯行シーンはほぼ無いです。
特に前半部分は、レクター博士とは別の連続殺人犯の犯行ばかり描かれており、その捜査がメイン。見事に全てグロテスクでしたね…。
ただ、彼は1話目から仕掛けております。
「ミネソタの百舌の模倣犯」という新たな犯罪者を作り出し、その模倣犯が「ウィル」であると周りが確信するように全員の心理を操っているのです。
因みに、ミネソタの百舌の模倣犯が起した事件は…
ミネソタの百舌の模倣犯(=レクター博士)がした犯行。
☆模倣犯なので、すべて鹿の角が使用された状態で発見されています。
キャシー・ボイル
⇒第1話で被害者となっていた女性。年齢も見た目もアビゲイルそっくり。
マリッサ
⇒アビゲイルの友人。年齢も見た目もアビゲイルにそっくり。
アビゲイル宅の裏の小屋でシカの角に刺さった状態で発見。
サトクリフ医師
⇒ウィルのMRIを撮った医者。ウィルの症状を知りながら、彼がどんな心理状態でいるのかを知りたい、ということでレクター博士と結託した人。
けれど、彼だけがウィルの病状を知っていたために、口封じの為に殺害。
ジョージア
⇒コタール症候群の女性。
レクター博士のサトクリフ医師殺害現場を目にしてしまったために殺害。
アビゲイル・ホッブズ
⇒とどめの一撃。
ミネソタの百舌の無念を晴らすために殺害された、と皆が思い込むようにする為に殺害。
では、なぜこんな事をしたのか?レクター博士の目的は何??
という話なんですが、これはただ「ウィルの反応を見て楽しみたかっただけ」。
ただそれだけなのです。
主要人物たちはただただ、このレクター博士の好奇心に付き合わされているだけなのです。
シーズン最後は見事に罠にはまったウィルが刑務所に収監されてお終い、でした。
罠にはまったウィル…
全編通して、ずっと精神的に不安定なウィル。観ていてツライくらいだったのですが、レクター博士の術中に知らず知らずはまっていく姿もかなりつらく…爽やか要素は0でしたね。2人ともイケメンなのに…
このレクター博士とウィルの関係を観ているのは楽しかったです。
マッツ・ミケルセン演じるレクター博士は気品があるのに、底知れないおぞましい欲求をもった気味の悪い演技は良かったし、ウィル演じるヒュー・ダンシーも熱の入った演技で、そもそも彼自身が「もう本当に病んでるんじゃないか…(;´Д`)」と心配してしまうくらい、上手でした。
演出も大変凝っていて、ここの辺りは文句なしなのですが…。
他のメンツがあまりにもポンコツ過ぎて、流石にイライラしてしまいました。
ウィルに捜査を任せっきりで、それへの対価はないし、そもそも彼が明らかに体調と精神を病んでいるのに「大丈夫?」の一言もない。
挙句、ウィルが模倣犯だと疑われた時には「ウィルが模倣犯だったなんて…確かに彼ならやりかねないわ…」なんて言う。誰一人「彼はそんなことしない」ときっぱり言わないのです。
まぁ、全てレクター博士がそう思うように操ったから、と言ってしまえばそうなのかもしれないですが、それにしたって彼の捜査への貢献度や、性格、気質を考えたら、合計5人も殺害する人間だとすぐさま断定できるでしょうか?
そうして、最後にはウィルが「ハンニバル・レクター博士が模倣犯だ!」と訴えても「ウィル…あなた疲れているのよ…(;´Д`)」と一蹴するばかり。
あ、あんまりじゃないか‥‥とドン引きしてしまった次第…。
まとめ
60点
役者さんたち全員の演技はかなり熱が入って、上手&説得力抜群。
常に重厚な演技が観れるのはなかなかないドラマであったと思います。
レクター博士が逮捕されるのではなく、ウィルが逮捕されて「羊たちの沈黙」を連想させる終わり方もとても魅力でした。
しかし‥‥
どうしてもジャック、アラーナ、ラウンズたちの行動にイライラしてしまって、集中力が途切れてしまう自分がいました…(私が真面目すぎるのかもですが)ので、この点数。
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↑映画「レッド・ドラゴン」のウィルの方が、精神的には健康で安心して観れた印象。
「羊たちの沈黙」が良すぎたからか、評価は落ち気味でしたが私は好きでしたよ。
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↑そもそもの原作の小説。面白いんでしょうか…


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